ep7. 新たな思いで帰国

ep7.新たな思いで帰国

私が正しいと思うこと、やりたいことをどうにかしてやろう!そう決心をして帰国してきた私は、新たな、ビジネスプロジェクトを進めていた。必ずできるはずだ、そう思っていた。

実家に帰ってきて、母には何を言っても強く反対される、そう分かっているので言うことすらしなかったが、父は普段からそのことに詳しい素振りを見せていたので、喋った。しかし具体的な情報はなく私を貶すだけで、そんなこと上手くいかないと反対された。父は、その後も協力する様子を見せて近づいてきて、気を落とす言葉をかけていった。私のエネルギーは吸い取られていった。

しかし、それでも、私はカナダから帰ってきたばかりでエネルギーがあり、プロジェクトを進めることができた。進めていく上で、たくさんの協力者が現れ、たくさんの奇跡的な出会いをした。カナダで色々なものを失ってから、運がよくなっている、そう思った。

しかし、ある程度経つと、体調が悪いのが治らなくなって、このままやると体を壊すと思った。さらに、新たに出会った人たちに、自分たちはその道の専門家だけどこれは止めた方がいい、無理だ、などと当初他の専門家から言われたものとは違う意見をされた。

あきらめずにどうにかしていけばどうにかなる、そう思っていたのに、急に上手くいかなくなり始める。いざ自分の命の危機を目の前にするとそれ以上進むことができなかった。

私は自分の目標を疑った。目標が間違っていたんではないだろうか。このままだと体を壊す。私はそれに耐えられなくて、プロジェクトを中止した。

命をかけても命は捨てられない。命をかけてまでやっても成功しなかったことが、悔しかった。私でない他の誰かが、同じプロジェクトを成功させる夢を見るほどだった。

私は再び海外へ行く気力はなかったが、せめて、ネガティブな言葉をかけてくる両親から離れて、関わりがないところへ、と、行ってみたかった日本の北部へ、日本最北端の島まで飛んだ。

具体的なプランは何もなかった。この時も外国に行った時のように、捨てるものがない感覚があった。それから、北海道は、本当はカナダに行く前に見ておきたかった場所でもあったので、まるでゲームの途中で飛ばしてしまった、塗りつぶさないといけないマスを塗りつぶせるような、嬉しさと少しの安心感も感じていた。

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